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洗濯機からのマイクロファイバーが牡蠣の新陳代謝に影響

洗濯機の排水に含まれる衣類由来のマイクロファイバーが海洋生物の新陳代謝に影響を与えるとする内容の研究結果が、Environmental Pollution誌の5月26日号に発表された。
フランスのIfremer(国立海洋開発研究所)、西ブルターニュ大学、CNRS(国立科学研究センター)、ルマン大学が共同で調査を行った。この調査は、海洋に放出されるのと同じ衣類由来のマイクロファイバーを96時間にわたって牡蠣に投与し、これを吸収した牡蠣の反応を調べたもので、マイクロファイバーの吸収によって牡蠣の消化器内に炎症が生じるなどの現象が確認された。汚染度を、1リットル当たり10個と、同1万個として比較したが、影響の度合いに違いがなく、少量でも影響が出ることが観察された。その一方で、自然繊維(ウール、綿)のほうが合成繊維(アクリル、ナイロン、ポリエステル)より炎症が起きやすいこともわかった。これは、自然繊維は表面のざらつきが多いためであると考えられる。ただし、影響度に関しては、自然繊維のマイクロファイバーが数週間から数ヵ月で消滅するのに対して、合成繊維の場合は数十年かかる点も考慮する必要がある。また、繊維・衣料の製造に使われる化学物質による汚染も考慮する必要がある。
調査を実施した研究機関・大学は引き続き長期的な研究を進めるが、新しい衣類ほど洗濯によるマイクロファイバーの放出量が多いことを踏まえ、一つの衣類を長く使うスローファッションを推奨している。

KSM News and Research