パリの中心にあるシテ島の再開発計画が再び持ち上がっている。コンシエルジュリとサントシャペルをつなぐ観光コースの整備などが検討されているという。
シテ島の東側には、かつての王宮だったコンシエルジュリと呼ばれる建物があり、マリーアントワネットが投獄されていた場所として名高い。同じ一群の建物には、最高裁判所とパリ高等裁判所があり、かつてはパリ地裁も入っていたが、こちらは17区のバティニョル地区にある新施設に移転した。左岸に面した部分は、有名な司法警察の庁舎だったが、こちらもバティニョルに移転している。中央には、13世紀に建立のステンドグラスが美しい教会「サントシャペル」があり、同じシテ島にあるノートルダム寺院と並ぶ観光名所となっている。
シテ島の再開発計画は、オランド政権下の2016年に、歴史的建造物センターの所長を務めていたベラバル氏らが報告書を提出して提言したが、その後は忘れ去られていた。しかし、そのベラバル氏が去る1月にマクロン大統領の文化顧問に就任したのがきっかけとなり復活した。具体的なプランは明らかになっていないが、シテ島の地下にあり、現在は使われていない通路を利用して、ノートルダム寺院の方から、コンシエルジュリやサントシャペルなどをつなぐ通路の整備などが検討されているという。
その一方で、空いたスペースを狙う最高裁とパリ高裁の陣取り合戦も繰り広げられているといい、これら一群の建物の将来像はまだ固まっていない。再開発計画はおよそ2030年までの日程で準備される。