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政府、SNUを学校教育内で提供する計画

政府はSNUと呼ばれる若年者対象の研修制度について、学校教育内で実施する形でその利用拡大を図る方針を固めた。関係各方面と協議を開始した。
SNUはマクロン政権下で2019年に創設された。過去に廃止された兵役を念頭に置いて、15-17才を対象に、国民の結束の醸成につながる活動をさせるという趣旨で創設された。12日間の合宿と、84時間の公益奉仕からなり、軍などが主な主催者となっている。参加は任意で、現在は学校休暇中に組織されている。
マクロン大統領は選挙公約として、このSNUを全員参加に改める方針を掲げていた。なお、2022年には、SNUの参加者数は3万2000人となり、目標の5万人とは隔たりが大きい(ちなみに、高校1年生の生徒数は80万人に上る)。ただ、全員参加ということになると費用も大きく(試算によると年間20億ユーロ超とも)、政府は即時に公約を実施するのは断念し、段階的に参加者を増やす方針を固めた。具体的には、現場の教員らからプロジェクトを募集し、学校教育の一部として、授業の代わりにSNUを実施するとの構想を提示。参加は任意とするが、参加実績は、進学先決定の選考において評価の対象となる。SNUを組織する教員(こちらも任意)には、特定のミッション遂行に対する報奨金を支払うなどして処遇する。教員組合の側では、授業時間が少なくなるのは教育の後退だなどとする反発の声が上がっている。

KSM News and Research