仏国内の水不足は依然として厳しい状況にある。当局機関のBRGM(鉱山局)が5月17日に発表した最新の予測によると、今夏までに干ばつが生じるリスクの高い県は、全国の約100県のうち28県に上る。リスクが高い県は主に、パリ盆地の大部分と、ローヌ川流域地域、さらに地中海沿岸地域に分布している。このところは降水量が多く、一部の地域では、農地の状況が優れないために種蒔きの時期を決めかねる状況に陥っているものの、全体としてみると、この時期の降水は、生育中の植物に吸い取られて地下水系までは達せず、昨年夏の干ばつで低下した地下水系の水位の回復効果には乏しいという。地下水系の68%では、水位が「低い」又は「極めて低い」となっており、この割合は、1年前の58%に比べてさらに深刻となっている。
リスクが高い28県に加えて、50県程度が「かなりのリスクがある」に分類されている。ブルターニュ地方とその周辺、そして東北地方を除く国土の大部分がリスクに見舞われている。既に、地中海沿岸地方の20県では危機的な状況にあり、水の利用制限が導入されている。
政府はこれを受けて、干ばつへの対応のガイドラインの改訂版を公表した。2021年6月に公表した前回バージョンをより厳しい内容に見直した。個別的な例外措置の適用の制限などを盛り込み、導入のタイミングも従来より繰り上げることを指示した。利用制限も厳格化され、例えばゴルフ場の散水量は80%にまで制限される。