17日発表のINSEE統計によると、仏失業率(ILO基準、マヨット海外県除く)は1-3月期に7.1%となり、前の期並みを維持した。失業者数は7000人の微減を記録した。失業率は1982年以来で最低の水準に下がった。
インフレ亢進と低成長の中でも雇用情勢は比較的に良好な推移を続けている。1-3月期には、若年層の失業率が前の期比で0.2ポイント低下の16.6%に改善(前年同期からでは0.1ポイント低下)。50才以上の層では、前年同期より0.2ポイント増の5.2%となったが、前年同期と比べると0.3ポイントの低下を記録した。
15-64才の就業率は68.6%となり、前の期から0.3ポイントの上昇を記録。1975年の現行統計の開始以来で最高の水準に達した。15-24才の層では0.2ポイント上昇の35.3%となり、1990年以来で最高を記録。50-64才では0.3ポイント上昇の66.5%(前年同期比では1ポイント上昇)となり、こちらは1975年の統計開始以来で最高となった。
その一方で、ILO基準では失業者に算入されない「失業者予備軍」は1-3月期に6万2000人増を記録。前の期の4万9000人増の後で増加を続けた。マクロン政権は任期が満了する2027年時点で完全雇用の実現(失業率5%前後)を目標に掲げているが、足元の経済情勢を踏まえて一部にはより厳しい見方も広がっている。景況機関OFCEは、失業率が2024年末には7.9%まで上昇すると予想。フランス中銀も2024年中に8.2%まで上昇すると予想している。