インターネット詐欺による決済被害の救済を容易にする合意がこのほど成立した。中銀と銀行、消費者団体が作るOSMP(決済手段安全性観察局)の勧告を銀行各行が受け入れた。
インターネット決済では、欧州連合(EU)の指令「DSP2」に基づいて、「強い認証」が2022年までに導入された。スマホなどを利用した本人確認を経て決済が完了する仕組みが採用されたが、それ以降、銀行側が、「強い認証」を経た決済については詐欺と認めず、返金に応じないという事案が増えている。詐欺団の側では、いわゆるスプーフィング(表示電話番号の偽装)を行って、銀行の担当者を装って電話をかけて、決済の完了を促すという巧妙な手口の詐欺を展開しているが、この種の詐欺においては、形式的に本人が認証したことになるため、銀行側は詐欺と認めずに、返金を拒否することが多いという。OSMPは今回の勧告の中で、顧客からの通報を受けてから24時間以内に銀行が調査を行い、顧客自身による詐欺であるか、顧客側の重大な怠慢に由来することを証明できない限りは、即時に返金に応じるとの規則を設定した。