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マクロン大統領、「中流階級」向けの減税を予告

マクロン大統領は5月15日、民放テレビ局TF1のインタビューに応じた。この中で、「中流階級」向けの20億ユーロの減税を予告した。
大統領は、「子どもを育てるために一生懸命働いているのに、生活費の高騰や、賃金上昇が不十分で月末の支払いに窮している人々」のために減税を行うと予告。先に欧州委員会に提出した2027年までの中期財政計画においては20億ユーロの減税の余地が盛り込まれており、これをそうした「中流階級」向けの減税に充当するよう、政府に指示したと説明した。2027年の任期満了までに実施する方針を示したことになるが、具体的な日程や、また減税の方法などの詳細については触れなかった。
年金改革を巡る軋轢でマクロン大統領への国民の支持は後退しており、大統領は挽回を期してこの減税予告をしたものと考えられる。マクロン政権による家計向けの減税措置はこれまでにも数が多く、住民税の廃止や公共放送受信料の廃止、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動を受けて2019年に決めた所得税減税(40億ユーロ)などがあるが、国民の間でこれらの措置に関して政府に感謝する気配はない。報道によれば、新たな措置の内容は、法定最低賃金(SMIC)の1.5倍から2.5倍程度の給与所得者がターゲットになる。その一方で、マクロン大統領は再選を決めた選挙キャンペーンにおいて、相続税減税を行うと約束していたが、報道によれば、こちらは「中流階級」向け減税に押しのけられる形で、実現が見送られるという。

KSM News and Research