5月11日付のレゼコー紙は、仏スタートアップ企業のVianovaについて報道した。同社は、自治体や企業、公共機関向けにモビリティ関連のデータを収集・分析し、交通の改善に役立てるサービスを提供している。
同社はRATP(パリ交通公団)と提携し、試験的にパリ市内・郊外でのバス交通の改善に向けた作業を行っている。RATPの運営するバスの平均速度は低下傾向にあり、これが利用者数の減少につながる恐れがある。Vianovaはパリ市内を走る路線のバスにカメラを搭載し、バスレーンや、停留所、その近辺の歩道を撮影。その映像を分析して、バスの余計な減速が引き起こされる理由を調べたところ、自転車や、違法にバスレーンを利用する大型車などが障害となっていることが判明したという。RATPは、こうしたデータを元に、パリ市当局に対してサービス改善につながるような整備を要請することになる。なおRATPは、ベンチャーキャピタルRATP Capital Innovationを通じてVianovaに出資している。
Vianovaは2019年の創業で、2022年の年商は100万ユーロ超。2025年に黒字達成を目指している。2022年末には600万ユーロの資金調達を行った。