仏政府はこのほど、リチウム、ニッケル、コバルトなどEX(エネルギー・トランスフォーメーション)に不可欠な重要金属の確保を目的とする投資基金の設立に向けて、仏InfraVia(投資会社)のプロジェクトを選定した。官民協力で世界の資源開発に投資する計画。
InfraViaは、インフラ及びテクノロジーを対象とする投資会社で、100億ユーロ相当の資産を運用している。政府は入札を経て同社のプロジェクトを選定した。計画によると、同社が運営するファンドが設立され、国がこれに5億ユーロを拠出。需要家となる仏及び欧州の民間企業(自動車、航空宇宙、防衛等)と機関投資家が手始めに5億ユーロを拠出し、年内に10億ユーロの規模とする。2年後には合計で20億ユーロを集める計画。ファンドは、仏及び欧州の企業による資源確保のプロジェクト(鉱山開発、リサイクル、精製)に少数出資を行い、オフテイク契約を結んで資源を確保し、出資者に分配する。欧州外のラテンアメリカ、東南アジア、オセアニア、アフリカなどのプロジェクトを主な投資対象とする。環境・社会責任上の基準を設定して選別を図る方針という。