中国のアパレルブランド「SHEIN(シーイン)」が5日より8日まで、パリ4区にポップアップストアを開いた。10代から20代後半までの女性を中心に多数の来店があり、一時は50メートルを超える行列ができる盛況だった。
SHEINはネット専業のアパレルブランドで、2022年の売上高は300億ユーロ。毎日8000品目の新製品を投入するというサイクルの速さと大量生産による廉価の実現を売り物とするいわゆるファストファッションの代表格として人気を博している。フランスでは、昨年9月にパリで初めてポップアップストアを開設、次いでモンペリエとリヨンで開設しており、今回は再びパリに戻って開設した。ファストファッションには、炭素負荷が大きいとする環境上の批判があるが、SHEINの場合は特に、それに加えて新疆ウイグル自治区における強制労働問題が批判の対象となっている。今回の開設においてもそうした批判の声は根強く聞かれたが、人気は衰えることはなかった。SHEINフランスは一連の批判について、散発的な事案があったのは確かだが、対策には万全を尽くしているとした上で、安さの秘密は、実店舗を持たず、オンデマンドの生産体制により在庫をなくせるビジネスモデルにあり、搾取により安値を実現しているというイメージは正しくないと反論している。