レゼコー紙が毎月発表する世論調査(調査機関エラブ実施)によると、マクロン大統領の支持率は5月に、再選後で最低に落ち込んだ4月と同じ25%にとどまった。支持率は3月と比べて7ポイント低下しており、「大統領を信頼しない」と答えた人も70%に上った。
支持率低迷が長期化することを避けるため、大統領は、地方遊説などで国民との接触を増やしているが、その効果はこの調査には現れていない。国民の多くが反対する年金改革法を無理やり成立させたことへの不満は大きく、年金改革反対派の左派支持者の間では81%が、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」を率いるメランション氏の支持者に限ると実に91%が、「大統領を信頼しない」と回答した。大統領の支持層でも後退が目立ち、年金受給者における支持率は、4月に前月比で18ポイント低下し、5月にも27%にとどまっている。一方、2022年の大統領選挙決選投票でマクロン大統領に投票した有権者では、前月を大きく上回る54%が支持を表明したが、それでも「大統領は人の意見に耳を貸さない」と答えた人が多かった。また、マクロン大統領への支持が根強い管理職以上の社会階層でも、大統領の支持率は3ヵ月連続で合計18ポイント低下し、28%にまで落ち込んだ。
ボルヌ首相の支持率も大統領と同じく低迷しており、4月は前月並みの22%にとどまった。年金改革を巡る混乱の収拾を図って「100日間で再スタートを切る」との政府の取り組みも、大統領の遊説作戦も、国民の不信感を払拭するには至っておらず、長期化する恐れがある。ただし今のところ、大統領の支持率は2018年の「黄色蛍光ベスト」抗議運動中に記録された23%よりは若干高めを維持している。