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仏政府、駐仏中国大使の発言に「愕然」

仏政府は4月22日夕、旧ソ連諸国の主権を否定し、クリミア半島がウクライナに属していることに疑義を呈した駐仏中国大使の発言に「愕然とした」とのコメントを発表した。盧沙野中国大使は、仏ニュース専門テレビ局LCI上でのインタビューにおいて、「旧ソ連諸国は、国際法上で有効な地位を持たない。なぜなら、彼らの主権国家としての地位を具体化する国際的合意がないからだ」との主張を展開した。
2014年からロシアに占領されているクリミア半島に関しては、「それは、この問題をどのような視点から見るかによる。歴史上は、クリミア半島は、当初はロシアのものだった。クリミア半島をウクライナに譲ったのは、旧ソ連のフルシチョフ書記長だ」と主張した。
これに関して、仏外務省は、コミュニケを発表し、「(大使の発言に)愕然としており、中国に対し、大使の発言が公式見解なのか確認を求めたが、そうではないことを望んでいる」との立場を明らかにすると共に、「ウクライナは、ソ連崩壊後の1991年に、新たな国連加盟国として、クリミア半島を含む国境が、中国を含む国際社会全体により承認された」と指摘、「2014年のロシアによるクリミア併合は、国際法違反だ」と強調した。
一方、ウクライナ政府は4月23日、「数千年に渡る自国の歴史については細心の注意を払うある国の大使が、クリミア半島の歴史に関して馬鹿げた話をするのは奇妙なことだ」と強く批判した。
中国は、ウクライナ戦争に関しては、表向きは中立の立場だが、習主席は、ロシアによるウクライナ侵攻を非難したことはなく、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話でも会談したこともない。その一方で、習主席は先にロシアを訪問し、ロシアとの連携を再確認したばかり。

KSM News and Research