21日のルモンド紙は、ヘルスケア製品および大衆薬の過去1年の大きな価格上昇について取り上げた。
この価格上昇は、メーカーと薬局チェーン店の間での価格交渉が3月1日に終了して以来、特に加速しているという。
薬局112店を集める「ファルマベスト」のアバンアイム会長は、今回の価格交渉では、メーカー側より過去30年に例をみない値上げ率を提示されたと証言する。価格交渉時にメーカーが求める値上げはこれまで年間2-2.5%程度であったが、今回はその3-4倍の値上げ率が提示されたという。
薬局チェーン「ファルマシー・ラファイエット」のフォンテーヌ販売部長も、今回の交渉当初には10%を超える値上げ率を提示されたという。同社は、300件に上る交渉事案のうち、大部分では3-4%の引き上げに抑えることで合意できたが、子供用栄養強化剤を製造するIneldea一社との間でのみ合意が成立せず、同社製品の取り扱いを停止することにした。ファルマベストでも、プロクター&ギャンブルから紙おむつ「パンパース」について30%、ダノン傘下ブランド「ガリア」から乳児用ミルクについて18%の値上げを求められ、これらの製品の取り扱い停止を決めた。
消費者はここ数ヵ月のインフレを受け、必需品以外の製品を買い控える、あるいは、より廉価な製品を選ぶ傾向を強めており、薬局は、卸価格の上昇の一部を、マージンを削ることで吸収せざるをえない。薬局側は3月1日以降、費用対効果の高い製品をプロモーション品として販売したり、PB製品の販売増を目指すといった戦略で現状に対抗している。