仏海運大手CMA CGMは18日、仏ボロレ・グループに物流子会社ボロレ・ロジスティクスの買収を提案した。50億ユーロ(ボロレ・ロジスティクスの現預金は計算外)という買収額を提示した。ボロレはこれを受けて、CMA CGMと独占交渉を開始することを決定。5月8日までに確定提案を示すよう求めた。ボロレはこの買収の打診について、CMA CGMの側から自発的に持ち掛けられたものだと説明している。
CMA CGMはサーデ一族が経営、コンテナ海運では世界大手。2019年のシーバ(スイス)買収を皮切りに、物流事業の強化を進めており、エールフランスKLMとの空輸業務での提携、車両輸送のジェフコ買収などを通じて網羅的な事業体制を構築しつつある。足元の事業は好調で、昨年には250億ドル近くの純利益を達成しており、資金力は潤沢にある。
ボロレ・グループもボロレ一族が経営する大手企業で、現在はビベンディ(メディア)を核として、各種の事業を展開している。物流部門では、アフリカ事業を伊海運大手MSCに57億ユーロで売却することを決めたばかり。残る事業については、企業買収による増強・拡大にむしろ傾いていたとみられるが、サーデ一族とは馴染みもあり、高値がつけば売却に応じる意向とみられている。収入を懸案のビベンディの上場廃止などに投入できるという利点もある。