仏消費者団体UFC-ク・ショワジールは、4月18日に発表した調査報告において、フランスの総人口の5分の1に相当する1180万人がいまだに本格的な超高速ブロードバンド(接続速度30Mbps以上)へのアクセスを持たないと主張している。
仏首相府下の調査・研究機関「フランス・ストラテジー」によると、すべての仏国民に超高速ブロードバンドへのアクセスを提供することを目的として2013年に開始された「フランスTHD(THDは超高速ブロードバンドのこと)」計画には、公的及び民間資金が10年間で約360億ユーロ投じられた。計画は光回線を中心とし、光回線が敷設困難な場所では、衛星通信や固定4G回線により補完するというもの。
UFC-ク・ショワジールでは、「公式な数字では政府の目標は達成されたことになっているが、いまだに1180万人が、超高速ブロードバンドへのアクセスを、光回線ではなく、固定4G回線などの無線回線や衛星通信に依存せざるを得ない状況に置かれている」と指摘、特に田園地帯の自治体がデジタル・デバイドの犠牲となっていると主張している。
ARCEP(仏電子通信・郵便規制機関)によると、2022年末時点での超高速ブロードバンド加入者世帯数は2150万で、うち1810万が光回線。
仏政府は、光回線の一般化を2025年を目処に実施するという目標を掲げており、銅線による加入者回線は2030年には停止される予定。