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マクロン大統領、テレビ演説で年金改革巡る混乱の収拾図る

マクロン大統領は17日夜、国民向けのテレビ演説を放送した。年金改革を巡る混乱の収拾を図り、「100日間で再スタートを切る」ことを提案した。
大統領はこの中で、年金改革への抗議行動について触れて、改革が国民の理解を得られなかったのは明らかだとして、その点について自らの責任を認めた。大統領はその上で、公正な社会と民主制度の刷新に向けた要求に耳を傾ける必要があるとし、労働、正義と共和国の秩序、公共サービスの3項目を挙げて、改善のための協議に着手すると予告した。ほぼ100日後となる7月14日の革命記念日までに最初の総括を行うと約束した。
大統領は具体的な内容については示さなかったが、「労働」については、年金改革を巡り悪化した労組との間の対話を再開する入口にする意向と考えられる。大統領は、限界や聖域を設けずに交渉に応じるとし、職業高校の改革、RSA(生活保護手当の一種)の制度改革に加えて、勤労者の所得改善や利益分配の強化、就労条件の改善、厳しい就労環境の勤労者への配慮、シニア雇用の拡大、転職支援などの問題を幅広く検討する考えを示した。「正義と共和国の秩序」については、治安部隊隊員や検事らの採用の継続、違法移民対策、脱税対策に言及した。「公共サービス」については学校教育と医療を挙げた。
大統領は18日に大統領府に労使代表を招いて会合を開くが、これに参加するのは経営者団体のみで、労組は揃って出席を拒否している。労組側は、少なくとも5月1日のメーデーまでは政府との協議に応じない構え。なお、17日夜のテレビ演説と同時間に、全国の各所で人々が集まり、鍋を叩くなどする抗議行動が行われた。

KSM News and Research