仏政府は28日、加工肉における亜硝酸塩の使用制限プランを公表した。20%の削減を国内生産品に対して求める。
亜硝酸塩は保存剤として、また発色剤として、ハム・ソーセージなどの加工肉に用いられる。発がん性の疑いが以前から指摘されており、仏食品安全当局ANSESも昨年夏に使用量の削減を勧告していた。政府はそれに沿って、新たな削減プランをまとめた。
具体的には、ハム(加熱食肉製品)とベーコンについて、1ヵ月以内に現行上限比で20%削減の達成を求める。対象製品は消費の50%を占めるという。その他の加工肉については、製品により6ヵ月から1年間以内に達成を求める。基準は仕様書内に規定され、国による検査の対象となる。
大手メーカーは既に自主的な努力を通じて新たな規制値をほぼクリアしているという。中小企業の場合にはより厳しい対応が求められることになる。政府は続いて、新たな使用量の削減の可能性の検討に着手する計画で、5年以内に全廃する可能性も検討し、調査研究を推進する。食品安全性を確保しつつ全廃を可能にする代替的な手段を検討する。また、新たな努力を求められる中小企業のための支援措置も講じる。
業界団体側は新規制を前向きに受け入れているが、欧州連合(EU)より踏み込んだ規制の導入であり、EU加盟国からの基準超えの製品の輸入を排除できない点を指摘。EUレベルでの規制とするべく働きかけるよう、政府に対して求めている。他方、環境派などは、使用量削減では不徹底であり、全廃の道筋を示せと要求している。