ブルガリア政府は22日、当局捜査により国内で押収された絵画がジャクソン・ポロック(1912-56)の作品である可能性が高いと発表した。これが事実なら、これまで存在がまったく知られていなかったポロックの作品が発見されたことになる。
ブルガリア警察はこの絵画を、去る2月初頭に、ギリシャ警察及び欧州刑事警察機構(ユーロポール)と協力して行った捜査の一環で押収した。押収されたのは、様々な色が金色の地を背景に浮かび上がるアクション・ペインティング風の作品で、ポロックの署名があり、画布の裏には、「才能豊かな親愛なるわが友、ローレン・バコールに」と書かれ、1949年9月16日という署名がある。また、ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスク(1918-89)の署名もあり、チャウシェスクが秘蔵していた可能性もある。絵画は現在、ソフィア国立美術館が保管しているが、ブルガリア人の専門家2人による鑑定では、その作風や作法がポロックの1945-50年頃の作品と一致しており、蛍光分析からは、色材がポロックの他の作品と類似していることが確認されたという。ただし、完全に断定するには不十分で、ブルガリア当局は国際的な協力を得て鑑定作業を進める方針。
この絵画は、ギリシャ人の所有者が転売を希望し、ブルガリアの業者に預けたものだったという。捜査はまだ継続中だが、捜索を受けた業者は釈放され、容疑者認定は今のところ受けていない。