オリンピック関連法案の下院審議が20日に始まった。アルゴリズムによる監視の導入の是非が焦点となる。
オリンピック関連法案は上院を既に通過している。2024年のパリ五輪をにらんで、ドーピング検査の手段の強化や、沿道等の広告に関する許可制度などの臨時又は恒常的な法令の枠組みが整備される。焦点となる治安関連の措置では、スポーツ施設侵入への処罰の強化、ボディスキャナーによる入場検査、治安要員の採用に係り当局が身元調査等を行う権限を確保する、などの項目が盛り込まれた。中でも注目されているのが第7条で、アルゴリズムによる監視カメラ動画の解析の試験導入(2024年12月31日まで)を認める内容となっている。これには、人権団体などから、行き過ぎた監視体制の導入につながるとして反対する声が上がっている。議員の間には賛否両論があり、中国や米国、イスラエルといった外国からの技術導入を将来的に迫られるより、国内で技術主権を確立するために準備をすべきだとする賛成論と、人権侵害などを懸念する反対論が対立している。法案によれば、アルゴリズムで検出されるべきイベントの定義と、走査の対象となる範囲を政令で定めた上で、期間限定で使用が認められることになる。