政府が年金改革法案の下院採択にいわゆる「49.3」を発動したのを受けて、2件の内閣不信任案が提出された。極右RNが提出したのに続いて、中道野党を中心とする院内会派LIOTも独自の不信任案を提出した。LIOTはこれを超党派の不信任案と位置付け、各党に合流を呼びかけており、ボルヌ内閣にとってこれがいちばん危険な不信任案になると考えられる。
不信任案が採択されるには、下院の半数に相当する287票以上の賛成が必要になるが、ルフィガロ紙は18日付で投票内容を各党ごとに予想した上で、不信任案が採択される可能性は低いと報じている。同紙によると、趨勢を決するのが保守野党「共和党」の出方となるが、61議員のうち、不信任案に賛成票を投じるのは6-15程度と考えられ、賛成票は合計で多くて272と、必要な287人は及ばないという。
その一方で、労組による製油所のストは拡大傾向にあり、ゴンフルビルロルシェ(ノルマンディ地方)の製油所もストに入った。燃料不足の懸念がドライバーを買い溜めに向かわせており、一部地域では燃料が品切れとなるガソリンスタンドも現れている。18日には全国で行われたデモ行進では、参加者数はさほど多くないが、若者らを中心に暴力的な衝突が発生する場面もあり、パリでは81人が逮捕された。ボルドー、リヨン、ブレスト、ナントなどでも衝突が生じた。