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ビベンディ、エディティス売却でクレティンスキー氏と独占交渉開始

仏メディア大手ビベンディは14日、傘下のエディティス(出版)の売却に向けて、チェコの実業家クレティンスキー氏が保有するIMI(インターナショナル・メディア・インベスト)と独占交渉を開始したと発表した。エディティスの100%株式を一括売却する。
エディティスは、10/18、ジュリアール、ロベール・ラフォン、ナータンなどの出版社を傘下に収め、出版部門でフランス第2位。ビベンディは、同業ラガルデール・グループの買収に着手したが、ラガルデールには傘下に仏出版最大手のアシェットがあり、買収の許可を欧州委員会から取り付けるにあたって、エディティスの取り扱いをどうするかが焦点になっていた。ビベンディは、エディティスの上場による分離を提案して許可を得る算段だったが、欧州委はこれを認めず、エディティスの一括売却を求めた。ビベンディは急遽、クレティンスキー氏に一括売却する方針に切り替えた。
仏出版業界は、新型コロナウイルス危機が追い風となり目立った成長を記録した後、2022年には反動で後退に転じた。エディティスも売上高が8%減(7億8900万ユーロ)、EBITDAが3100万ユーロに後退(前年は5100万ユーロ)、ビベンディはエディティスについて3億ユーロの減損処理を実施し、簿価は5億2900万ユーロにまで下がった。損を出す形でやむなく資産を売却する格好になる。一方、クレティンスキー氏はエネルギー分野の大物実業家で、数年前からフランスでメディア関連の資産を買い集めている。

KSM News and Research