法人と政府機関等には、フリート更新に当たって電動車両の購入最低限が義務付けられている。環境NGOのT&Eはこのほど、その順守状況に関する調査結果を発表した。大統領府をはじめとして、法令最低限を守っていないところが極めて多いという結果になった。
2021年までに制定された法令では、フリートの規模が小型車両100台を超える法人について、2022年における買い替え車両の10%以上をEV又はプラグイン・ハイブリッドとすることが義務付けられている。この最低限は、地方自治体と公共部門企業では30%、官公庁では50%に定められている。T&Eの調査によると、法人と地方自治体のうち3分の2はこの法令最低限を順守していない。官公庁では実に87%が順守していないという。例えば大統領府は、2022年に6台を購入したが、うち1台がディーゼル、2台がガソリン、1台がシリーズ・ハイブリッド、2台がプラグイン・ハイブリッドとなっており、50%に達していない。他の官公庁では、内務省で購入車両のうち対象車がわずか2.7%と特に低い。T&Eでは、大統領府を含めて、フルEVの導入実績が低いことも問題視しており、プラグイン・ハイブリッドを免罪符として導入し、実際はほとんど燃料で走行していることも多いと指摘している。
最低限は、法人の場合で、2024年に20%、2027年に40%、2030年に70%と順次引き上げられることになっている。T&Eは、法人等のフリートが、中古車市場への供給の柱の一つであることを指摘し、電動モビリティの普及に果たす役割が大きいことを強調し、積極的な対応を促している。