政府が社会給付の不正受給対策の強化を計画している。アタル予算相が8日のインタビューで語った。
同相は、各種社会給付の受給資格の一つである、年間の国内居住期間を、長い方に一本化する方針を示した。現在、高齢者生活保障手当と家族手当の受給には年間に6ヵ月以上の国内居住が条件として求められ、この期間は、APL(住宅手当)では8ヵ月間、RSA(生活保障手当)では9ヵ月間になっているが、同相は、これをすべて9ヵ月間に一本化することに賛成すると言明した。現在、年金改革法案の上院審議において、保守野党の共和党が、高齢者生活保障手当の支給条件の厳格化(上記期間を6ヵ月から9ヵ月へ)を盛り込んだ修正案を提出しており、これを支持する姿勢を示した。年金改革法案の可決には、共和党の賛成を得ることが条件になり、そのための譲歩の一つと考えられる。
これと関連して、アタル予算相は数週間以内に社会給付の不正受給対策案を公表する。この7月より、欧州連合(EU)域外の銀行口座を社会給付の振り込み先として認めないなどの措置が導入される見通し。また、外国で年金受給を受ける人の生存確認を組織的に行うことや、航空会社の乗客名簿へのアクセスを得て、受給者の出入国について把握することなどが計画されている。