マクロン大統領は2月28日、ジャルナック市(シャラント県)の中学校を訪問した機会に、ヒトパピローマウイルスの予防接種を9月の新学年以降に一般化すると予告した。中学校で組織的に無料接種を提供する。義務化はせず、両親が許可を与えることを条件に接種する。第5学年(12-13才)を対象とする(男女とも)。
ヒトパピローマウイルスは性的接触を通じて感染し、稀に子宮頸がんなどがんを引き起こす。フランスでは年間2900人が発症し、1000人が死亡している。フランスでは、女子については2007年から、男子についても2021年年頭から、予防接種が推奨されている(11-14才に6ヵ月間隔で2回接種、15-19才で3回目接種も)が、接種率は女子で45.8%(1回以上接種)、男子ではわずか6%と低い。高い接種率を実現し、ヒトパピローマウイルスの感染と子宮頸がんの予防で成果を上げている諸外国の例を踏まえて、組織的な接種キャンペーンを行うことを決めた。ワクチンの費用が95-116ユーロと高く、35%を払い戻す補足健保に加入していない低所得者層で接種率が低いことに配慮し、無料キャンペーンを選択した。