ドイツのベンチャー企業Tomorrow Biostasisは、欧州では初めて、人体冷凍保存の提供を開始した。現代の医学では治癒できない人の遺体を冷凍保存し、未来の科学進歩に復活の夢を託するという趣旨。人体冷凍保存のビジネスは米国など世界では動き出しているが、欧州では同社が初めてだという。同社は、スイス北部のラフツ市に専用施設を設置し、人体を液体窒素によりマイナス196度の低温にて永久保存すると約束。法律的な制約もあり、冷凍処理は死亡の判定がなされた後に開始される。既に10体程度の冷凍保存が始まっており、予約者は数百人に上るという。同社のケントツィオラCEOによると、顧客の平均年齢は36才、ハイテク分野の就労者が多いという。脳の機能を保存できれば、同じ自分を保って機械の肉体の中に、さらには肉体をまったくもたない形で生き続けることができると期待していると考えられる。ただし、未来志向たるゆえんだが、蘇生の方法は現時点ではまったく確立されていない。いつか条件が整ったとして、蘇生を誰が、いつ決めるのかという問題も残る。