仏ARCOM(放送行政監督機関)は22日、民放大手TF1とM6の放送免許を更新する方針を決めた。M6と免許を争っていた実業家グザビエ・ニエル氏の提案を退けた。
TF1とM6の放送免許は5月初めに期限切れを迎える。ARCOMは規定により、入札を経て免許の交付を決める手続きを開始したが、無風と思われたこの入札にニエル氏が闖入し、行方が注目されていた。ニエル氏はフリー(通信)の創業者で、デジタル分野の大物投資家として知られる。ニエル氏は、去る15日にARCOMが行った面接などの機会を通じて、番組制作投資の拡大や広告時間の削減など、M6よりも内容面で勝る提案をアピールしたが、M6は過去の実績を強調して対抗、ARCOMは冒険をせずにM6に軍配を上げた。
M6は独ベルテルスマンの傘下。TF1との合併計画が実現せずに終わった後だけに、免許の防衛は重要な課題だった。M6の地デジにおける視聴率(占拠率)は30%程度。免許は10年期限(5年間の更新可)で交付される。交付に先立ち、ARCOMとの間で放送事業に関する詳細を定めた契約を締結する必要がある。