11日に全国で年金改革反対デモ行進が行われた。内務省集計では合計で96万3000人が参加し、大規模な動員が達成された。同日には、労組が交通ストなどを断念し、デモ行進に集中する形で多数の参加が得られるよう配慮した。その成果もあり、ストライキも行われた前回7日の75万7000人を上回る参加者数を記録。ただし、1月31日の127万人には及ばなかった。その一方で、今回のデモ行進は、規模の小さい自治体でも実施され、参加者の裾野が広がった。労組側は共同で、16日(木)にも抗議行動を実施する予定だが、3月7日(火)のその次の抗議行動に特に照準を合わせており、この日には「フランス全国を停止させる」ことも辞さないと予告している。
年金改革法案の下院審議は今週末(17日)に終了する予定だが、主に左派野党側が乱発した1万6000件近くの修正案の審議をまだ残している。10日までには年金特殊制度(公社等に適用される)の一部の段階的な廃止を定める第1条がようやく採択された。政府は年金改革の基本方針では譲らない姿勢を維持しており、厳しい綱引きが今後とも続くと予想される。