下院小委員会で30日に年金改革法案の審議が始まった。合計で7000件を超える修正案が提出されており、荒れ模様の審議となることが予想される。
ボルヌ首相は30日朝にも、定年年齢(年金受給の開始を申請できる年齢)を62才から64才に引き上げるという点は既に固まっており、修正には応じないと言明。国会審議においては、改革により女性に生じうる不利益を緩和することなど、一連の修正で譲歩して、特に保守野党「共和党」の協力を取り付けることが鍵になる。その一方で、与党「ルネサンス」内でも、15人程度の議員が現状では法案に賛成できないとする立場を表明しており、自陣営を固めることも課題となっている。
31日には年金改革に反対するデモ行進とストライキが行われる。経済紙レゼコーなどの依頼で行われた世論調査によると、61%の人が、改革反対の抗議行動を支持すると回答しており、かなりの水準を維持している。最初の抗議行動が行われた12日夜の時点では66%に達していた。年金制度の改革は必要だと答えた人は、全体の56%で多数派ではあるが、12日時点と比べて5ポイント低下しており、政府にとって年金改革を巡る風向きは厳しくなっている。「抗議行動を支持する」と答えた女性は、12日時点の62%が現在では69%へ上昇しており(男性では逆に54%から51%へ低下)、女性の間で年金改革への不満が広がっていることがわかる。