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ユーロスター、ブランド名「タリス」を廃止

国際高速列車のユーロスター(英仏間)とタリス(フランス、ベルギー、オランダ、ドイツを結ぶ)が合併して発足したユーロスター・グループは1月24日、ブランド名を「ユーロスター」に統一すると発表した。9月末までに統一を完了する。関係国以外で知名度が高い「ユーロスター」にブランド名を一本化し、集客効果の拡大を狙う。
ユーロスターとタリスの統合計画は2019年に発表されたが、新型コロナウイルス危機を挟んで2022年5月になりようやく実現した。合併により発足したユーロスター・グループは、仏国鉄SNCFが55.75%株式を確保し、その子会社となった。残りの株式は、カナダ・ケベック州預金供託金庫と英投資ファンドHermes GPEによるコンソーシアム「Patina Rail」が25.75%を、ベルギー国鉄SNCBが18.5%株式を保有している。
ユーロスターとタリスの合計の旅客数は2021年に1500万人に上った(2019年には1900万人)が、同社は2030年時点で2倍の3000万人の達成を目標に設定。9億6200万ユーロに上る債務の削減が課題だが、2022年下半期には黒字復帰を果たし、債務削減が動き出した。2023年には、統合に伴う節減効果(情報処理システムの一本化など)で数千万ユーロを見込む。経営側は人員の維持を約束しているが、労組側は今後に懸念を抱いている。

KSM News and Research