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実業家ニエル氏、民放大手M6と放送免許を争う

仏ARCOM(放送行政監督機関)は23日、放送免許更新の入札において、実業家のグザビエ・ニエル氏の応札書類を受理した。大手M6が占有する周波数を争うことになる。
地デジ局で民放最大手のTF1とM6の放送免許がこの春に期限を迎えるため、免許更新が入札により争われる。従来はまったく無風の更新だが、今回は、通信フリーの創業者として知られる大物実業家のニエル氏が「NJJ Projet 5523」という会社を立ち上げて、放送免許の獲得をM6と争うことになった。M6は、TF1との合併計画に失敗し、親会社の独ベルテルスマンが売却の検討を続ける中というタイミングもあり、負けられない勝負となる。ニエル氏側は、M6の利益率の高さはコンテンツ制作投資を抑えていることに由来すると主張し、独立系の制作会社への発注を増やすことなどを約束して勝負に挑む。TF1出身のロンバルディニ氏の参加を得て、放送事業における経験もアピールするが、ニエル氏本人には、出資先のメディアワン傘下にテレビ局数局(AB1、RTL9など)が含まれる程度で、地デジ局の実績はなく、その辺りが泣き所になる。M6は、投資額の増額やダイバーシティ推進の努力などを約束して追撃をかわすことを望んでいる。ARCOMは2月15日に候補者を対象に聴聞を行い、これが戦いの山場になる。

KSM News and Research