エネルギー問題が国民の最大の関心事となる中で、EDF(仏電力)の施設見学が目立って増えている。EDFは原子力発電所を含めて、100ヵ所程度の施設で見学者を受け入れている。2022年には50万人が訪問し、新型コロナウイルス危機前の年間平均比で28%の大幅増を記録した。うち原子力発電所の見学者は8万人を数えた。EDFはグラブリーヌ(ノール県)、フラマンビル(マンシュ県)、シボー(ビエンヌ県)の各発電所を中心として、原子力発電所に見学者を受け入れている。内容は発電所により異なるが、展示室や映写、模型等を利用した説明会、さらに、機械室やシミュレーターを含む内部の見学ツアーも用意されている。EDFは、原子力安全性をアピールし、イメージの向上を図る機会として、また、将来の人材確保を念頭に置いて様々な業務内容を紹介する機会として、こうした見学の成果に特に期待している。
ただ、見学者のプロフィールには偏りがあり、男性と社会的に上位の職業に就く人が多い。年齢層が高めであることも、求人の誘致力を高めるという目的から外れる。EDFはこのため、校外見学向けに2時間のコースも用意している。