政府は9日、狩猟の安全強化措置を公表した。懸案だった狩猟禁止日の設定は見送られた。
2021-22年のシーズンには、狩猟に絡んで90件の人身事故が発生、前年の80件から増加していた。8人が死亡したが、うち2人はハンター以外のハイカー等となっており、狩猟の安全性向上と規制強化を求める声も高まっていた。政府は一時、毎日曜午後の半日間を狩猟禁止として、狩猟以外の活動との共存を図ることを計画したが、これにはハンター協会の反発が強く、政府はこれに押される形で導入を断念した。政府はその一方で、自動車の運転と同様に、酒気帯びの狩猟を法律で禁止することを決定。血中濃度0.5gを超えるアルコールの検出につき135ユーロの罰金処分を適用することを決めた。安全面でのハンターのトレーニング強化もあわせて決定。10年に1回の講習受講を義務付け、2029年までにすべてのハンターにトレーニングを受けさせると予告した。また、狩猟の日時と場所の事前申告義務を設定し、その内容をアプリで公開し(今年秋より運用開始)、ハイカー等の安全性確保に役立てることも決めた。
ハンター協会は新規制の内容を歓迎。逆に、環境保護等のNGOは揃って、日曜日の狩猟禁止設定が見送られたことを批判した。