仏送電網を管理するRTE(EDF子会社)は12月20日、電力需給予想の修正結果を発表した。1月に電力需給がひっ迫するリスクを、「高い」から「中程度」に下方修正した。RTEは、節電努力が維持されるという前提で、気候条件が著しく厳しくなる場合にはリスクが生じる可能性はあるものの、特に1月中については、これまで予想していたよりも供給の安定性に関するリスクは低くなったと説明した。「Ecowatt」予報が「赤」(節電の追加努力がなければ計画停電が避けられないとの予想)が出る回数の見込みは、「0-3回」となり、従来の「0-5回」より少なくなった。
RTEはこの理由として、節電努力の効果が浸透したことを挙げている。直近4週間の電力消費量は9%の減少を記録(2014-19年の平均比)。工業部門に限ると消費量の減少率は12%とさらに大きくなった。この減少は、節電努力だけでなく、電力価格の高騰に伴い生産中断等を余儀なくされたことにも由来していると考えられ、景気動向を占う上ではマイナス要因となる。
それに加えて、干ばつのために著しく低下していた水力発電所のダムの貯水量も、今秋の降雨でかなり回復。天然ガスの備蓄も、10月から11月にかけて高めの気温が続いたことから十分な水準を保っている。運転中の原子力発電所の容量合計も12日以来で40GWを超えるまでに回復した。