政府は移民法案を事前審査のため行政最高裁(コンセイユデタ)に提出した。ルフィガロ紙がその内容を報じた。
法案は、求人難の部門における就労実績がある不法移民に対して、滞在許可証の発給を容易にする旨を盛り込んでいる。これについては、保守及び極右の野党勢力が、不法移民を呼び寄せる結果になるとして反対している。法案は具体的には、3年以上の継続した滞留実績があり、また、直近24ヵ月以内に8ヵ月以上の就労実績がある者に滞在許可証を交付することを定めている。この制度は2026年末までの時限措置として導入され、業績評価を経て継続の是非を決めるという。このほか難民申請者に対する就労制限が緩和される。申請が認められる可能性が高い者には申請時より就労が認められる。また、医療スタッフ及び薬局関係の有資格者を対象にした外国人受け入れの促進も図られる。
その一方で、外国人対象の規制は一部強化される。まず、複数年次の滞在許可証の取得には、一定のフランス語能力の証明が要求されることになる。また、国内で軽犯罪及び犯罪を犯した外国人の退去強制処分の執行が容易になり、異議申し立ての手続きも簡素化・迅速化される。さらに、国家の安全に重大な脅威となる外国人については、当局が複数年次の滞在許可証の更新を拒否できるようになる。