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フランス南西部の人気都市 トゥールーズの一日観光案内 後編

エトワで地方特派員、森榮爽(もりえ・さやか)さんによる、トゥールーズを楽しむための一日観光モデルコース案内。前編に引き続き、初めてでも無理なく周ることができるモデルコースをご紹介します。

この記事の前編はこちら↓
初めてでも安心! フランス南西部の人気都市トゥールーズの一日観光案内 前編


ローマ時代への時空の旅! サン・レイモン博物館

 そして、サン・セルナン大聖堂に訪れた際にぜひ立ち寄っていただきたいのがここ、サン・レイモン博物館(Musée Saint-Raymond)です。

サン・セルナン大聖堂のすぐそばに位置している。
サン・セルナン大聖堂のすぐそばに位置している。

 大聖堂のすぐ隣にある考古学博物館で、ここには、トゥールーズとその周辺で発見されたローマ時代の遺物が多数展示されています。武器や硬貨、食器やアクセサリーなどがあり、外交や昔の人の生活の様子を感じられます。

 特に興味深いのが、展示品に添えられたキャプション。発見された場所や時代などの情報が詳細に記載されています。中には、「地下鉄〇〇駅の発掘で発見」というようなキャプションがついた展示品もあり、街の開発に伴って発見された遺跡が多数あることが見てとれます。現在私たちが利用している場所の遺物を見ると、遠い昔の歴史がどこか、身近なものに感じられますね。

 地下鉄に乗った際には、ぜひ路線図でキャプションに書かれていた駅を探してみてください。昔の人が生活していたまさにその場所を、通過している最中かもしれません。

■基本情報
□住所:Musée Saint-Raymond, musée d’Archéologie de Toulouse 1ter place Saint-Sernin 31000 Toulouse
□アクセス : メトロB線「Jeanne d’Arc」から徒歩6分 メトロA線「Capitole」から徒歩9分
□開館時間:火曜~日曜10:00~18:00 □休館日:月曜・1/1・5/1・12/25
□入館料:一般12€(2024年4月5日~2025年1月5日まで、特別企画展「Cathares」開催に伴う特別料金)
□公式サイト:Accueil – Musée Saint-Raymond (toulouse.fr)


交通機関をスムーズに利用したい! トゥールーズでの切符の買い方

 サン・レイモン博物館での時空の旅を終え、次はトゥールーズ自然史博物館(Muséum de Toulouse)へと移動します。

 ここで、使うのがトゥールーズ市内を走るメトロ。博物館の最寄り駅、メトロB線「Jeanne d’Arc」から、同じくB線「Palais de Justice」へと向かいます。

 メトロに乗るためにはまず、改札傍にある券売機で切符を購入します。

券売機
券売機

 観光客の方に便利なのは、画面左の通常券。こちらの切符を1枚購入すれば、市内のメトロ、バス、トラムを全て同じ切符で乗車することができます。

 また、1枚1.80€の「1DEPLACEMENT」の切符を使うと、同じ線内の停車駅であれば、どこでも下車することができます。乗り換えの際は再度、切符が必要になるので、あらかじめ複数枚買っておくと便利です。

 他にも、15.10€の「10 DEPLACEMENTS」は10回券になっていて、少しお得に購入できます。また、1日乗り放題の「PASS JOURNEE」は6.80 €、3日乗り放題の「PASS 3 JOURS」は13.50 €で購入できるため、これらの切符もぜひ検討してみてください。

例として、メトロB線の駅から、同じくB線の駅に向かう際の購入方法をご紹介します。

 バスやトラムを使う際は、乗車後、車内で切符を刻印する必要があります。刻印機は、バスでは運転席とドアの近くに、トラムではドアの近くに複数個、設置されています。

 バスは日本と同じように、降車ボタンを押すのを忘れないでくださいね。


好奇心くすぐる自然史の世界! トゥールーズ自然史博物館

 次は、子供も大人も夢中にさせる、トゥールーズ自然史博物館(Muséum de Toulouse)へ向かいます。

 ここは、生物の進化や惑星の成り立ちや、人間と自然・環境の関係を学ぶことができる規模が非常に大きい博物館です。1865年に発足して以降コレクションを充実させ、現在は250万点の標本を保存しています。

 入口を抜けてすぐに現れる巨大な象の模型は、この博物館の象徴的存在。館内では、本物そっくりな動物の模型・昆虫の標本をはじめ、地球の歴史、火山や地震など地質活動を学べる展示などを多数揃えています。

 特に注目したいのが、迫力のある骨格標本。今にも動き出しそうなポーズで豪快に飾られた標本は、ガラス窓から入る外の光とうまく調合し、まるで芸術作品を見ているような美しさがあります。

 また、地震体験や匂いを嗅いで楽しむコーナーがあるなど、見るだけでなく、聞いて、触って、体験しながら、子供でも飽きることなく知識を深めることができます。

 好奇心を刺激する、この自然史の宝庫に、ぜひ足を運んでみてはいかかでしょうか。

■基本情報
□住所:35 allées Jules Guesde 31000 Toulouse
□アクセス : メトロB線・トラム「Palais de Justice」から徒歩7分
□営業時間:火曜~日曜10:00~18:00 □休館日:月曜
□入館料:一般12€(企画展開催時)/一般9€(常設展のみ)
□購入方法:完売していなければ当日、館内でチケットを購入することも可能ですが、オンラインで事前に時間指定して購入できるため、オンラインでの購入がお勧めです。
□公式サイト:Muséum de Toulouse (toulouse-metropole.fr)


これを食べずには帰れない! トゥールーズ名物カスレ

 旅も終盤に差し掛かり、そろそろお腹も満足させたいところ。せっかくトゥールーズに来たからには、郷土料理を食べずには帰れません。そこでお勧めなのが、トゥールーズの食をまるごと味わえる「メゾンデュカスレ(Maison du Cassoulet)」。

 ここでは、インゲン豆を煮込んだカスレや鴨胸肉をローストしたマグレ・ド・カナール、フォアグラなど、地元の食材をふんだんに使ったトゥールーズの名物料理を堪能できます。

 特にお勧めしたいのは、熱々の陶器のまま提供される、絶品のカスレ。オーブンで少し焼き焦がされた表面にスプーンを入れると、中からトロトロになったインゲン豆がたっぷり溢れてきます。インゲン豆と一緒にぐつぐつ煮込まれたトゥールーズソーセージと鴨肉はとてもジューシーで、口の中でとろける柔らかさ。寒い冬にぴったりの、体も心も温まる一品です。

 お店は大人気のため、事前に予約していくのがお勧めです。Googleからも予約できるので、ぜひ活用してみてください。

■基本情報
□住所:3 Boulevard de Strasbourg 31000 Toulouse
□アクセス : メトロA・B線「Jean Jaurès」から徒歩1分
□営業時間:ランチ 12:00~14:30 ディナー19:00~22:30
□定休日:なし
□公式サイト:Toulouse – Maison du cassoulet


旅の締めはロマンチックなガロンヌ川の夜景で!

 トゥールーズをまんべんなく堪能し、そろそろ辺りも暗くなってくる頃。観光の最後を締めくくるのは、幻想的なガロンヌ川の夜景を見に、サン・ピエール広場(Place Saint-Pierre)へ向かいましょう。

 トゥールーズは、街中心部のすぐそばをガロンヌ川が流れています。広場から見える2つの橋の内の一つ、ポンヌフ橋は、1622年に建設されたトゥールーズで最も古い橋となっています。そしてこれらの橋の一番の魅力は、なんといっても幻想的でロマンチックな夜景!

 ライトアップされた橋が鏡のように水面に映る光景は、まさに息を呑む美しさ。お昼とは違った輝きに魅了されること間違いなし。

 多くの人がこの幻想的な景色を前に、川沿いに腰掛けてピクニックをしたり、友人とおしゃべりしたり、ロマンチックなひと時を過ごしています。

 穏やかでゆっくりとした川の流れを感じながら、旅で疲れた体を癒して観光の締めとしましょう。

■基本情報
□住所:Pl.Saint-Pierre, 31000 Toulouse
□アクセス : メトロA線「Capitole」から徒歩11分

この記事の執筆者

森榮爽(もりえ さやか)

昨年までトゥールーズで留学をしていた大学4年生。パリ旅行をきっかけにフランスに興味を持つようになり、大学からフランス語学習を開始。昨年9月から大学の交換留学制度を利用して渡仏。趣味はフルートで、留学先の大学ではオーケストラサークルに所属していた。

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