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スイスの世論、反米・親欧州の傾向が鮮明に

スイスのTamediaが同国の安全保障に関して3月31日から4月1日までにオンラインで実施した世論調査によると、回答者(3万5132人)の77%が欧州連合(EU)との協力強化に賛成し、21%が反対した。スイスの最大政党で、EUとの関係強化に向けた交渉に強く反対している右派政党「スイス国民党(SVP/UDC)」の支持層でも、52%がEUとの協力強化に賛成した。

また、回答者の71%は北大西洋条約機構(NATO)との協力強化に賛成した。反対は26%。ただしNATOへの加盟には56%が反対し、賛成は37%のみ。

防衛装備の調達先として米国より欧州を選択することには82%が賛成し、特に60%は明確な支持を表明した。スイス政府は2022年に米国製戦闘機F35を購入したが、回答者の66%はこれに反対している。

この調査は、トランプ米大統領がスイスに対する31%の「相互関税」を予告した4月2日の前に実施された。同大統領のEUやNATO加盟国に対する対応が強い緊張を招く中で、中立国スイスの世論が欧州寄りに大きく傾いていることがうかがわれる。スイスは従来、米国を重要なパートナーとみなしてきたが、トランプ大統領が米国の外交・安全保障政策にもたらした大きな変化が米国離れを招いている。ウクライナ問題での米露の接近なども影響していると考えられる。

KSM News and Research