仏大手銀行BNPパリバが仏保険大手アクサから資産運用子会社アクサIMを買収する件で、欧州中銀(ECB)はいわゆる「デンマーク譲歩」と呼ばれる措置の適用を拒否した。11日までに報道された。この報道を受けて、BNPパリバの株価は同日に終値で2.41%の下落を記録した。同日のパリ株式市場CAC40指数の後退幅が0.30%にとどまる中で下落が目立った。
デンマーク譲歩とは、保険業における投資的支出について、銀行自己資本比率の計算から除外することを認める措置。BNPパリバは、保険子会社カーディフを通じてアクサIMを買収する計画であり、この措置の適用を受けられるつもりでいたが、あてが外れた。適用が認められると、12月末時点で12.9%だった同行の自己資本比率(CET1)は0.25ポイントの低下で済むはずだったが、適用が認められないと、0.65ポイントの低下を記録する見通しとされ、これだと、CET1の必要最低限にかなり近くなる。BNPパリバには対応策を講じる必要が生じ、配当金の削減などに踏み切る可能性も出てくる。BNPパリバはこの報道について、真偽には立ち入らずに、アクサIMの買収を予定通り7月初旬に完了する方針であることを確認した。
これとは別に、欧州中銀は伊BPM銀行によるAnima(資産運用)の買収を承認したが、ここでも、デンマーク譲歩の適用を拒否していた。欧州中銀は、デンマーク譲歩の適用を、保険事業の買収に限定する方針と考えられている。