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マクロン大統領、欧州防衛の主権確立掲げる

マクロン大統領は20日、すべての政治勢力の代表を招いて、ウクライナ問題について意見を交換した。大統領は24日にも、米国を訪問してトランプ大統領と会談する見通しとなっている。

トランプ米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」と非難しつつ、ウクライナ抜きでロシアのプーチン大統領と和平交渉を進める考えを示している。トランプ大統領の言説はプーチン大統領の従来の主張に著しく接近しており、欧州諸国はこれに強い衝撃を受けている。マクロン大統領は今後の方針を協議するため、非公開で20日の会合を開いた。この機会に、軍の責任者が、ロシアが展開するハイブリッド戦の現状と脅威などについて説明。マクロン大統領は、欧州の防衛の自主性を高める目的で、軍備強化と関連投資を拡大する必要性を説いたというが、各党の反応は様々だった。共産党のルーセル全国書記は、「ウクライナが戦争継続を望んだ場合にウクライナへの軍事支援の継続が必要と大統領が示唆した点に懸念を感じる」とコメント。極右RNからは、バルデラ党首は会合に参加せず、アリオ・ペルピニャン市市長が出席した。RNはあまり多くをコメントしていないが、RNと協力するシオティ下院議員は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟反対を掲げ、トランプ米大統領と横並びの姿勢を示した。

マクロン大統領はこの会議後、SNSを通じた国民との質疑応答の中で、戦時経済の財源確保を目的に、国民からの拠出を募る貯蓄商品を導入する可能性などに言及。トランプ米大統領との会談においては、「対中姿勢を強める大統領にとって、ウクライナ問題で譲ったら、中国が台湾に侵攻したときに掲げられる根拠も失われてしまい、自らの利益にはならないことを説得する」考えを示した。

KSM News and Research