仏ミュルーズ市(アルザス地方)で22日に刃物による攻撃があった。1人が死亡し、3人が負傷した。犯人のアルジェリア人男性は逮捕された。
事件は15時40分頃に発生。ミュルーズの市街地では「コンゴ支援」のデモが行われていたが、その中で、犯人の男が「アラー・アクバル」と叫びながら刃物とドライバーで通行人を攻撃した。ポルトガル人男性(69)が死亡し、駐車違反取締の市職員3人が負傷した(うち2人は重傷)。犯人は警察により逮捕された。逮捕されたブライム・A(37)はアルジェリア人で、2023年10月のハマスによるテロ攻撃に関連してテロ行為を賞賛した件で有罪判決を受け、当局によるテロ警戒の要注意人物のリストに掲載されていた。犯人は以前から統合失調症の精神障害も呈していた。2024年6月以降は国外退去命令の下にあったが、ルタイヨー内相によると、アルジェリア側が受け入れを拒否したため、今日まで国外退去を執行できなかった。事件当日には、ミュルーズの警察署で、司法当局による監視を巡り犯人と警察官らとの間でインシデントがあったという。マクロン大統領は事件を「テロ攻撃」と形容。大統領は同日に、農業見本市の開幕式を挙行し、会場を訪問していたが、事件発生後に急遽、訪問を切り上げた。
これとは別に、21日(金)には、ドイツの首都ベルリンで刃物による攻撃があり、1人が重傷を負った。犯人は逮捕された。事件は、ベルリンのホロコースト慰霊モニュメントの付近で同日午後に発生。モニュメントを訪れたスペイン人観光客が背後から刃物で攻撃された。被害者は重傷を負ったが、入院治療により一命をとりとめた。犯人は逃走したが、数時間後に現場に戻ったところを警官隊により逮捕された。逮捕されたのは19歳のシリア人難民の男性で、所持品等から、中東紛争に関連してユダヤ人を狙ったイスラム主義テロを企てたものとみられている。逮捕された男性は、2023年に同伴者のない未成年者としてドイツに入り、難民としてライプツィヒ市に居住していた。折しも、ドイツでは23日に総選挙が行われることになっており、移民問題が最大の争点としてクローズアップされる中で、事件が選挙結果に影響を及ぼす可能性もある。