自動車大手ステランティスがフランス市場で巻き返しを図っている。仏経済紙レゼコーが2月17日付でステランティス・フランスの広報担当の談話内容を報じた。
ステランティスの前身である仏PSAは、2019年の時点で、フランスの乗用車市場において32.5%のシェアを得ていた(オペル含む)。しかし、2024年には、ステランティス発足により加わったブランド(フィアット、アルファロメオ、ジープ)を加えても、仏市場シェアは28.5%まで後退している。先に解任されたタバレスCEOの下では、価格引き上げと高級化の戦略が進められたが、これが一部裏目に出ている。ステランティス・フランスの広報担当は、2019年と現時点の中間のポジショニングを志向しつつ、適正水準へのシェア回復を図ってゆく方針を示した。
同社は今年には7モデルを投入し、これがシェア回復の推進力になると期待している。SUVのプジョー3008(欧州で12万台の予約を現時点で確保、うち22%がEV)、シトロエンC3に続いて、オペルの2モデル(CセグメントSUVのグランドランド、コンパクトSUVのフロンテラ)、フィアットのグランドパンダ、DSの高級EVセダンN.8(800kmの航続距離を達成)が巻き返しの尖兵となる。営業面では、悪化していたディーラー網との関係回復に努め、販促に協力し、新車販売時のディーラーの収入を高める工夫を通じて、販売を後押しする。欧州連合(EU)の二酸化炭素排出新規制への適合化に向けてEV販売を拡大するのも課題で、年頭にはプジョーe-208では価格を6000ユーロ引き下げた。2万5000ユーロ未満(さらには2万ユーロ未満)のEVが主戦場になり、ステランティスはこのクラスで3モデル(シトロエンe-C3、オペル・フロンテラ、フィアット・グランドパンダ)により攻勢をかける。中国提携先のLeapmotorのT03にも期待する。