仏高級ブランド大手エルメスは2月14日、2024年通期の業績を公表した。売上高150億ユーロ(前年比13%増)、営業利益62億ユーロ(同9%増)、純利益46億ユーロと、好業績を維持した。営業利益率は40.5%と前年の42.1%から若干後退したが、依然として非常に高い水準にある。総売上高の40%程度を占める皮革製品部門が22%近くの増収を記録し、全地域で販売を伸ばしたことが特筆される。
エルメスでは、2024年に8-9%の値上げを実施した。2025年も、4-5%のコスト上昇をカバーするため、6-7%の値上げを見込む。米トランプ政権の関税リスクについて、デュマCEOは、「関税によって生産方針を調整することはない」と言明し、「関税が引き上げられれば、その分小売り価格を引き上げる」と付け加えた。
従業員利益分配制度を通じて、今年は2万5000人超の従業員にひとりあたり4500ユーロ(前年は4000ユーロ)が支給される。また、4月30日の株主総会で、1株につき16ユーロの配当(前年は15ユーロ)と10ユーロの特別配当を提案予定。
デュマCEOはこの機会に、2026年か2027年にオートクチュールに参入する意欲も明かした。