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社会保障会計予算法案が下院を通過、近く上院で可決成立へ

社会保障会計予算法案が2月12日に下院を通過した。上院が通過案をそのまま採択する見通しで、同法案は2月下旬にも成立するめどが立った。

バイルー内閣は、同法案の採択においても、採択強制の憲法上の措置を発動した。この発動に伴い提出された内閣不信任案が12日までに否決されたことから、法案は下院を通過した。

下院を通過した法案によると、社会保障会計の赤字は2025年に220億-230億ユーロ程度となる。これは、瓦解したバルニエ内閣が準備した原案の赤字160億ユーロと比べて膨張しているが、バイルー内閣は、法案が可決されず、前年の法律の適用が継続された場合には赤字は300億ユーロに達するはずだと説明している。

医療支出は2659億ユーロに設定された(前年比3.4%増)。バルニエ前内閣が計画していた診察料・医薬品の健保払い戻しの削減については、一部野党の法案可決への協力を取り付ける見返りとして、実現が見送られた。企業向けの社会保険料の減免措置の縮小については、当初案の40億ユーロ相当に対して、最終的に16億ユーロ相当まで減らされた。患者輸送の料金は引き下げが決まった(健保公庫にとって2025-27年に3億ユーロの節減)。

一部の措置は、政令を別途公示することにより施行される。医師や病院等の予約を連絡なしに全うしない患者に対する課金(「すっぽかし税」)の条件等を定める政令が近く公示される。これは、健保公庫ではなく、医師や病院等が任意で徴収することになるが、どの程度の当業者がこの規定を利用して課金するかはわからない。傷病手当金の健保負担上限の引き下げ(法定最低賃金の1.8倍という現行上限を1.4倍まで引き下げか)に関する政令も追って公示される。

KSM News and Research