AIサミットがパリで2月10日と11日の両日に開催される。英国(2023年)と韓国(2024年)に続く3回目の開催となる。マクロン大統領とインドのモディ首相が共同議長を務め、各国政府や企業の代表、投資家、研究者ら約1500人が参加する。
マクロン大統領はこの機会に、フランスへの投資を呼び込むだけでなく、AI分野におけるフランスと欧州のポジション強化に向けた意志を示したい意向。7日付の地方紙に掲載されたインタビューにおいて、「完全な自立に向けて戦う用意があるのか、それとも米中の競争に取り残されるままでいるのか」と問いかけ、欧州には「切るべきカードがある」と宣言。ただしそのためにはイノベーションを阻害する恐れのある過剰な規制でがんじがらめにしないことが重要だと指摘した。
また、マクロン大統領は9日夜のテレビインタビューの機会に、向こう数年間で1090億ユーロの官民投資を行うプランを発表した。この中にはアラブ首長国連邦と加ブルックフィールドによる投資(それぞれ300億-500億ユーロと200億ユーロ)が含まれ、サミット中にさらなる投資が発表になる予定。1090億ユーロという投資額は、対人口比では、米オープンAIとソフトバンクがトランプ政権下の米国で推進するAI投資計画「スターゲイト」の500億ドルに相当する。
大統領は、オープンAIの競合で新たなAIアプリを投入したばかりの仏ミストラルAIや、拠点を米国に移したフランス発の医療研究スタートアップOwkin、外骨格型アシストスーツを開発のWandercraftに言及してフランスのAI技術をアピールした。
また、中国ディープシークに関しては、開発された国を理由に特定のアプリを排除するのは賢明ではないとした上で、国の主権が関係する場合にはしかるべき検討をするとした。