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ビルヌーブサンジョルジュ市市議会選、左翼LFIが敗北

パリ南郊ビルヌーブサンジョルジュ市(バルドマルヌ県)で2日、市議会選挙の決選投票が行われた。共和党(保守)のニアスム市長候補(女性)が率いるリストが勝利した。

同市では、右派のゴーダン氏が市長を務めていたが、議場でナチス式の敬礼をしたことがきっかけとなり、抗議で市議らの大量辞任が発生した。こうした場合には、規定により市議会選挙をやり直すことになっている。その決選投票が2日に行われた。

1週間前に行われた第1回投票では、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」のボワイヤール下院議員が率いるリストが、共和党リストを僅差で抑えて首位に立っていた。第3位だった共産党・環境派・社会党の左派リストは決選投票への進出を辞退した。その一方で、4位となったゴーダン市長のリストは立候補を維持し、決選投票は3リストによる三つ巴選挙となった。投票の結果、共和党は49%の得票率を達成して首位となり、LFIの38.75%に大きく差をつけ、新市議会で過半数の議席を確保した。投票率は39.69%となり、第1回投票時の33.45%と比べて大きく上昇した。

LFIを率いるメランション氏は応援に出向くなどしてこの選挙に肩入れした。しかし、逆にそのせいか、左派陣営の協力を取り付けることはできず、孤立したままでの決選投票となった。市町村選挙では、決選投票に向けて、候補者リストを統合する形で選挙協力を決めることができるが、今回はそれが実現しなかった。ボワイヤール下院議員は投票結果の発表後、敗北の原因が、協力に応じなかった左派陣営にあると非難した。今回の選挙には、地方選挙ながら、政局混迷の中で全国的な関心が向けられていた。広義での左派勢力の間の対立を露呈する結果となった。

KSM News and Research