自然派化粧品の仏イヴ・ロシェは1月15日、子供服のプチバトーと日用品のスタンホームの売却準備に入ると発表した。祖業である化粧品部門に専心することが目的。
ウエストフランス紙とのインタビューで、創業者の孫にあたるロシェCEOは、向こう4年間に化粧品部門へ1億ユーロの投資を予定していると語った。研究開発のほか、仏国内の直営店650店舗のうち200店舗の改装と、アジア・中東地域への150店舗以上の新規出店を計画する。プチバトーとスタンホームの売却先は、2社の発展が望めるよう「慎重に選択する。現時点で候補はいない」と説明した。
プチバトーは創業130年を超える子供服ブランドで、1988年にイヴ・ロシェの傘下に入った。年間2800万点を製造、2024年の売上高は2億5000万ユーロ。フランス国内で7%、全体では3%の増収を記録した。55%をフランス、25%をフランスを除く欧州、10%を日本で販売。
スタンホームは1931年に米国で創業、1997年にイヴ・ロシェが買収した。2024年の売上高は前年比4.6%減の1億8800万ユーロ。主にフランス、イタリア、メキシコに出店している。
イヴ・ロシェは1959年の創業。自然派化粧品が消費者に高く評価されて、急発展した。現在は118カ国に展開、2024年の売上高は前年比2.4%増の22億ユーロ。ECへの方向転換が遅れ、オンライン売上が全体の10%程度にとどまっている。ロシア事業を継続している点が、消費者離れにつながっている可能性もある。イヴ・ロシェ・グループは、2023年夏に発表した事業改革プランの一環で、2024年にプロエルメル工場(モルビアン県)を米アーケードビューティーに売却し、コスメブランドの「Flormar」をトルコの投資家のコンソーシアムに売却した。