労使による共同運営を建前とする失業保険を巡り、労使間で15日に基本合意が成立した。節減措置と、高齢層の雇用問題を巡り合意した。
労使はまず、越境就労者の失業手当算定方法を見直すことで合意。スイス、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルクで就労するフランス人労働者が失業した場合、失業手当はフランス側が支給することになるが、その支給額は、一般にフランスよりも高めの給与水準に連動することから高めになる。これを是正する措置が合意には盛り込まれた。このほか、高齢層の失業者に認められている長めの給付期間も短縮される。22.5ヵ月間の支給を受けられる年齢下限は53才から55才へ、また、27ヵ月の支給を受けられる年齢下限は55才から57才へ、それぞれ引き上げられる。他方、経営者側は、使用者負担の失業保険料率の引き下げ(4.05%から4%へ)の開始を、2025年5月1日まで遅らせることに応じた。これらにより、2025年通年では4億ユーロ、向こう4年間の合計では23億ユーロ程度の節減が実現する。
高齢層(60-64才)の雇用促進措置としては、この年齢層を対象にした特殊無期雇用契約CVEの導入(欠け目なしの年金受給が可能になる年齢を採用時に使用者に通知し、その年齢になると契約が自動的に打ち切られる)と、段階的な年金受給を開始しつつ就労を継続する制度の60才からの適用を可能にすることなどが取り決められた。