官民のテレビ局が揃って合流したロビー団体「LaFA」がこのほど発足した。民放大手TF1の社屋に当事者らが12日に揃って発足を宣言した。
LaFAには、民放大手のTF1とM6、そして、公共テレビ局を統括するフランス・テレビジョン、さらに、SACD、SACEM(いずれも著作権者協会)、ANIMフランス(アニメ制作会社の業界団体)など、コンテンツ制作関連の団体などが合流した。10社・団体が発足時より参加した。初代会長はTF1のベルメールCEOが務める。
LaFAは、攻勢を強めるインターネット大手との競争において、力を合わせて共通の利益を擁護する目的で設立された。公共放送部門の財源の確保、広告規制等の緩和、舞台芸術等のキャスト・スタッフの失業保険制度の擁護、生成AIが発達する中での権利者の正当な収入の確保、デジタル・プラットフォームに対する欧州連合(EU)レベルの規制の推進などに主に取り組む。
テレビ局各社は、従来は敵同士だったが、現在では、インターネット大手という共通の敵を見据えて、必要な部分で共同戦線を組むことが必要だとの認識が広がっている。また、先の解散総選挙では、極右RNが政権を獲得する可能性があったが、公共放送の民営化を掲げ、コンテンツ制作部門への資金供給に介入する意志もちらつかせていたRNの政権到来には、官民を問わず業界全体が脅威を感じた。その危機感が大同団結を実現する上でのばねとなった。