30日発表のINSEE調査によると、1月3日が年間で最も死者数が多い日であるという。INSEEは2023年までの20年間の死亡統計を分析し、様々な傾向を抽出した。
2023年の死者数は63万9300人となり、特に死亡者が多かった前年と比べて3万5900人の減少を記録した。年間の死亡者数は過去20年間で増加傾向にあるが、これは、人口構成の変化により、死亡する年代の人の数が増えたことによる。過去20年間の平均では、1日当たりの死亡者数は1600人で、季節でみると、夏季(6-8月)が平均で1450人と、9%も少なくなっている。これは、季節性のウイルス感染症の影響が小さいことにより説明される。逆に、冬季は1日平均の死者数が多く、1月は全体の平均比で14%増と最大になる。それとも連動する形で、年間に死者数が最も多いのが1月3日で平均比19%増、逆に最も少ないのは8月15日で12%減となる。1月3日に死者数が特に多いのは、年末年始で家族に会うことを望む終末期にある高齢者が、死の時期を「遅らせた」ことによるしわ寄せがくるためと考えられる。他方、8月15日は祝日であり、休日と祝日には死者数が減るという全体的な傾向があるため、この日が特に少なくなるものと考えられる。
それとは別に、自身の誕生日に死亡する人が特に多いことも判明した。誕生日の死亡は平均比で6%も高い。この傾向は、若い世代の人で特に顕著だが(18-29才では21%増)、50才以上でも引き続き多い。この現象は諸外国でもみられ、その理由についてはいくつかの仮説が提起されている。日本での研究では、誕生日に自殺する人が多く、これは誕生日を前にしてうつ状態に陥る人が増えることにより一部説明できる。