労使代表は29日、高齢層の雇用に関する交渉を行う。会合はこれが2回目となる。経営者3団体(MEDEF、CPME、U2P)は28日に新たな合意案を労組側に提示した。
高齢層の雇用に関する労使交渉は、年金改革との絡みで浮上した。年金改革では、定年年齢が64才へと段階的に引き上げられることが決まっているが、それと連動する形で、定年年齢までの就労の促進などのテーマで新たな労使合意を締結することが課題になっている。労使交渉は去る4月に中断されたが、バルニエ内閣の発足を経て再開が決まっていた。
経営者団体は新たな合意案において、バルニエ内閣の了承を得て、定年年齢の引き上げにあわせて、年金受給への段階的な移行の期間を拡大することを提案。就労を段階的に減らし、賃金の減少分を年金支給の部分的な開始により補うという現行制度は、2年間を上限としているが、これを、「60才から最大4年間」に拡大する。労組CFTCなどは、同制度の適用を従業員が申請した場合、使用者はこれを拒否できないとする原則の導入を求めているが、経営者側はこれには応じていない。
このほか、労組側が反発している特定雇用契約の導入を、経営者側は引き続き提案した。これは、60才以上(産別合意がある場合には57才以上)の失業者を採用する場合の特定雇用契約を導入するというもので、契約は無期限契約ではあるが、定年に達した時点で使用者側が一方的に契約を打ち切ることができるというもの。ただし、直近6ヵ月以内に無期契約にて雇用していた者を、再び特定契約にて雇用することはできない旨が盛り込まれた。このほか、従業員数300人超の企業において、高齢就労者の案件に関する労使合意を結ぶことを義務付けることも提案された。