2025年予算法案の下院小委員会における審議が始まった。バルニエ内閣は下院で過半数を持たないため、審議の行方は予断を許さない。
小委員会はさっそく、富裕層を対象にした課税強化案について、課税をさらに強化する方向で修正を施した。3年間という期限を外して恒久化すると共に、課税強化を逃れる方法を封じる方向での修正を施した。政府はこの措置について、2025年に20億ユーロの税収増をもたらすと予想している。
これ以外でも、課税強化を図る一連の修正が法案に施された。まず、不労所得を対象とする源泉徴収課税(フラットタックス)の税率を、30%から33%に引き上げる(2025年より適用)修正案が採択された。また、野党の社会党と極右RNの両方の賛成により、過去数年の平均比で20%を超える金額の配当金について、フラットタックスの税率を35%とする旨の修正案も採択された。政府がこれらの修正にどのように反応するかはわからない。
政府の予算法案によれば、各種の措置により、2025年には合計で295億ユーロの税収増を確保できることになっている。ただ、この見通しは楽観的過ぎるとする批判の声も聞かれる。例えば、大手企業を対象とする2年間の法人税率引き上げでは、政府は2025年に85億ユーロの追加税収を見込んでいるが、企業側による節税対策の活用により、実際の税収はそれよりも顕著に少なくなる可能性がある。